マザーアンドチルドレン
「何かを受け取るということは、同時に心を受け取ることでもある」
マザーアンドチルドレンを設立している安田剛さんは、ここで紹介している他の起業家の方々とは違い、リアル店舗を持っていない。ネット上でインテリアや生活雑貨を販売する「EVERYDAY MARKET」という自社サイトを運営している。顔が見えない人からモノを買うことが当たり前の時代だからこそ、ということもあってか「何かを受け取るということは、同時に心を受け取ることでもある」という芯をもって、ネット通販を運営している。
オリジナル製品「木製スピーカースタンド」などを企画開発・販売
「府中家具やものづくりが好き」とUターンし、マルケイ木工、トイロなどでの仕事を経て独立。そこでの経験も踏まえて、自社開発のオリジナル商品も手掛ける。ヒット商品となった「木製スピーカースタンド」は、7344円と、そうお安くない価格にも関わらず、5000個を販売。電源、電池がいらないシンプルさと、デジタル機器からの音源なのに、木の通路を通って発せられることで、少し柔らかになる音色が魅力だ。一見すると四角い木の置物のようなのに、内側には確かな技術を持つ職人でなければ施すことのできない複雑で濃厚な技術を内包していている。工夫と技術は表には出さないところに、惹かれる人も多そうだ。
飾らない、内に想いを持って働いている
実際の安田さんも、一見するとこのスピーカーのように、ご自身で「ポンコツなんで（笑）」と飾らない。でも、内面にはたくさんの想いや知識を秘めていて、その魅力を知った人たちからのオファーが増えていく。実は売上の９割が、他社のネットサポート事業だそう。「通販事業の立ち上げをしてほしい」「現在の通販事業を改善したい」など、実績が口コミで広がり、こちらから営業に赴かずとも仕事が舞い込む。リアル店舗で接客できる人よりも、むしろより丁寧に、ちゃんと顔をつきあわせた働き方をしている証だと思う。
